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電子申告しないと「65万円の控除がない」ってどういうこと?

さて、確定申告のシーズンになりましたね。

 

今年は特に、外出せずに自宅からネットで確定申告
いう人が多いかと思います。

 

もちろん国税庁の確定申告コーナーで作った書類を
「紙に印刷して」郵送で提出してもいいのですが、
個人事業主の場合、それだと損してしまう場合もありです。

 

なぜなら、令和2年度の分(つまり今から出す分)から
こういうことになっているからです。
↓  ↓  ↓

 

いつもの「青色申告特別控除」が10万円も減らされる?

 

…そうではなく、電子申告方式で確定申告書を提出すれば
減らされないようですよ。

↓  ↓  ↓

 

ちなみに電子帳簿保存っていうのは、一定の条件を満たしたシステムや
ルールで書類をデータで保管することです。説明はここでは省略します。

 

ほとんどの人が、電子帳簿保存よりは断然ハードルの低い
「電子申告(E-Tax)」を行うほうを選ぶはず。

 

色々なところで電子申告を始める方法は解説されてますが、
情報量が多すぎて分からない!まず何から始めたらいいの?
という方はこの3分動画をご覧になって下さい。
↓  ↓  ↓

3分で分かる、E-Taxでの確定申告で「一番最初に」必要なこと – YouTube

 

さて、電子申告するにはどうしたらいいのか、
最初の第一歩が分かったところで、1つ質問です。

 

電子申告にして65万円の控除を受ける…って正確には
どういうことだと思いますか?

 

これ、青色申告じゃない人と比べるとよく分かります。
(青色申告じゃない人=白色申告ともいいます。)
↓  ↓  ↓

この場合は「100万円」が事業で得た利益とされます。
一方、青色申告で65万円の控除がある場合はこちら。

↓  ↓  ↓

 

この場合、同じ売上・同じ経費でも65万円を引いた後の
数字である「35万円」が、事業で得た所得とみなされます。

 

そして、令和2年分からは、上記(※)の65万円というのは
電子申告(E-Tax)で確定申告書を出した人にしか適用しませんよ、
ということになるのです。

 

ただ、ここで誤解されませんように一言。

 

65万円の青色申告特別控除が無くなっても、
影響を受けない個人事業主もいます。

 

65万円の控除額が55万円になったからといって、
税金の額がダイレクトに10万円増えることはありません。

 

そもそも、税金ってこんな風に計算されていますから。
(個人事業主の計算例。計算過程の一部を抜粋。)
↓  ↓  ↓

 

税金を計算する「もとになる」所得を小さくしてくれるのが
色々と「●●控除」とよばれているもので、青色申告の65万円控除って、
その「色々ある●●控除」の1つにすぎないわけです。

 

だから、扶養家族が多かったり、払った健康保険の額が多かったり
する人は、もしかしたら「65万円の青色申告特別控除」が55万円に
なったとしても影響がほとんどないかもしれません。

 

税金の計算の仕組みって、本当によく考えられていて、
なるべく「不公平がないように」考えられています。

 

下記の所得税の税率表を見ても分かりますよね。
単純に所得が1万~2万円増えたからって、いきなり税金が高く
ならないように考えられています。
↓  ↓  ↓

 

こういう「公平な」制度なので、
計算方法はとても複雑です!!

 

なので税理士にとって一番恐ろしい質問がこれ。

 

「ざっくりでいいので、税金いくらになるか教えて」

 

 

…要素1つで大きく結果がくつがえることもあり得ます!

 

いつも数字を拝見しているレギュラーの顧問先様ならともかく、
初めての方、収支や所得の変動が大きい方に「ざっくりとした予想」を
お伝えするときは、かなり幅を持たせてお伝えしているのもこのためです。

 

 

※すみません…日頃の苦労がにじみ出る文章になってしまいまして。
<(_ _)>

 

今日はこの辺で。