年110万円以下なら贈与税ゼロ、その正確な意味

皆様こんにちは、税理士の永岡玲子です。

 

早いもので私、この税務・会計業界で仕事を始めてからは
もう20年、税理士登録してからだと14年になります。

 

でも今でも思います。
相続税・贈与税の世界って奥が深いです!

 

皆さん、テレビやネットで「こうすればOK!」などという
気軽な感じで紹介されたミニ知識だけで判断しないでください。
((+_+))

 

今からご紹介するのも、当事務所に ご相談に来られた方で何度か
誤解されていた事案です。

 

 

※*~※*~※*~※*~

(問題1)

私は2月に父名義の土地の一部を私名義に書き換えました。
その土地の価値は60万円分ありました。
同じ年の11月、母から70万円の現金をもらいました。

 

さて、私は贈与税を払う必要があるのでしょうか?

 

 

(答え)

 

贈与税はかかります。

 

 

※*~※*~※*~※*~

 

贈与税というのは、「もらった人」が払う税金です。

 

そして、その人がもらった財産の年間合計が110万円を
超えていると、その超えた部分に贈与税がかかるのです。

 

そうそう、もらう財産は現金とは限りませんよ。

 

設問のように、不動産の名義を書き換えるということは、
その分だけの不動産をタダでもらったということなので、
それも「もらった財産」として認識しましょう。(^_-)-☆

 

あと、もし仮に「生活費の仕送りとして70万円もらった」
という現金なら、そもそも贈与税の心配は要りません。

 

この「何が贈与となるのか」を全部詳しく書いてしまうと本が一冊
出来上がってしまう恐れすらあるので、ここではやめときます。
<(_ _)>

 

 

で、もう一つ。

 

 

※*~※*~※*~※*~

(問題2)

私は11月に父名義の土地の一部を私名義に書き換えました。
その土地の価値は60万円分ありました。
翌年の1月、母から70万円の現金をもらいました。

 

さて、私は贈与税を払う必要があるのでしょうか?

 

(答え)

 

贈与税はかかりません。

 

 

※*~※*~※*~※*~

 

何でかって言いますと。

 

年間合計で110万円以下なら…というときの「年間」とは
1月1日~12月31日までの期間を指します。

 

1年目にもらったのは60万円。
2年目にもらったのは70万円。

 

はい、どちらも110万円以下ですねとなりますので
贈与税はかからないのです。

 

そうそう、大事なことをあと1つ。

 

贈与税って、自分から申告しないとダメですよ。
税務署から勝手に税金の支払い用紙が送られてくるものではありません。

 

こんな用紙に自分で書くこと書いて、税務署に提出しましょう。
(下記は用紙の一部です。)

 

あと、もらったものが現金や上場株式といった、
すぐに値段の分かるものなら、プロでなくても贈与税の申告書は
何とか手引き見ながらでも記載できると思います。

 

でも、もらったものが不動産となると多くの場合、
こういう財産評価計算書を申告書につけます。
(これもあくまで書類の一部です)

 

こうなると、私達のような専門家に相談して頂いた方が良いと思います。
結構ややこしいですからね…。

 

しかも、毎年のように「税制改正だ!」といって新しい制度が
創設されたり既存の制度が変わったり…。

 

業界20年目の私でも、仕事に関する知識については絶えず勉強!勉強!の
世界なんです。
まあ、どんな仕事でもそうだとは思いますし、税理士は高度専門職なので
当然といえば当然なのですが…。

 

でも時々、しみじみと思うことがあります。

 

 

日本の税法って、もう少しシンプルな仕組みになりませんかね???

 

 

確かに、シンプルすぎる課税の仕組みは世の中の不公平を招くし、
そもそも色々な人の事情を考慮した仕組みにしているからこそ、
日本って比較的平等な社会が実現しているという側面はあるのでしょう。

 

でも、特に相続税・贈与税・不動産に関することって
事業をしていない一般のサラリーマン家庭でも身近にかかわってくる
ようなことですよね。

 

ましてや今後、日本は団塊の世代が一斉に高齢化していっているような時代。

 

特に団塊の世代の女性といえば、今よりずっと家電・通信機器が不便な時代に
家事・子育て・介護の担い手として長く家庭に入っていた方が多いことでしょう。

 

※私は家事子育てと並行してずっと仕事でしたが、当時よりは便利で
高学歴を得ることにも仕事を続けることにも、比較的周囲の理解が
あったからこそ出来たことです。

 

異論があるのは承知の上で書きますが、ずっと家庭で主婦業をこなしてこられた
方が、ご主人が亡くなられて、いきなり法的な手続きや仕組みのことを自分で
専門家から直接、話を聞いて行うことになる時に。

 

その時に、こんなに複雑な仕組みがあるというのはどうよ?
と思うのですが…。

 

税の公平性を保つために本当に必要な仕組みはそのままで、
複雑すぎて使いにくいような特典は制度として整理縮小するか
思い切ってシンプルにして欲しいと個人的には思っています。

 

すいません、少々熱が入ってしまいました。
<(_ _)>

 

 

なので、税理士に相談される皆様へ。

 

税理士ですら、即答できないようなことが多いのが相続・贈与の
世界なので、一般の方は分かってなくて当たり前だということは
税理士側でもわかっているんです!!

 

なので、何度も同じ質問を受けるのも、慣れています。
私だって、最初はチンプンカンプンだったんですから…。

 

よく分からないからそのままに…ではなく、
いざ相続が発生したり、贈与税の申告の心配があった時には
専門家に相談しましょうね。

 

(^^)/


2018年12月1日 11:42 AM | カテゴリー: 相続・贈与